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一級建築士製図試験合格術5選_タイプ別︰今から出来る対策

<こちらの記事は一部アフィリエイト広告による宣伝を用いています。>

ついに学科試験を通過し、いよいよ製図試験。

他の資格試験にはない、一級建築士特有の試験スタイルで、非常に難関です。

特に、初めて受験される方にとっては大きな挑戦です。

何から始めたら良いのか迷うことも多いでしょう。

また、勉強し始めて、時間制限の厳しさに絶望している方も多いはず。

しかし、適切な勉強と準備を行えば、初めての受験でも合格を目指すことができます。

このガイドでは、

初めて受験する人はもちろん、既受験者が合格する為に必要な3つの具体的な方法をわかりやすく解説します。

どこのサイトでもあるようなありきたりなものではなく、資格試験を熟知したペンギンならではのタイプ別に分けた対策解説も加えています。

それぞれのタイプ毎にポイントを押さえ、効率的に試験対策を進めていきましょう。

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目次

合格術1: 一級建築士製図の本質を理解しよう

令和6年度の製図試験のテーマは「大学」です。

過去には、「大学のセミナーハウス」という課題もありましたが、今回はより出題される範囲の広いテーマです。

色々な出題の可能性が考えられますが、大教室やカフェテリアなどの大空間に、個別の小教室をいくつか設ける計画をする問題と考えるのがセオリーでしょう。

製図試験の問題には、大きく分けて「基準階型」と「低層階型」の2種類があると言われており、今年は「低層階型」と考えるのが妥当でしょうが、近年は、都市型の大学が増えており、基準階型のような問題も考えられます。

以前は、具体的な要求事項が課題名にもあり、一定の絞り込みが可能でしたが、

近年は、「用途」を提示するのみで、受験者に的を絞らせない出題方式となっています

また、近年の学科試験と、製図試験の合格者の傾向を下表にまとめました。

学科試験は、年度ごとに上下があるものの、概ね同程度推移しているのに対して、

製図試験は、試験傾向変更以降は合格率が5%程度低下しており、合格の難易度が上昇していることがわかります。

これは、これまで課題に対して山を張って合格してきた受験生の合格が難しくなってきたものと考えられます。

また、近年の合格率が凡そ35%前後なので、3人に一人が合格することになります。

その中には、2度目や3度目の受験者もいるので、勉強開始から3か月ほどで試験となる初受験者にはもう少し狭い門であることを認識した方が良いでしょう。

しかし、一級建築士製図は一定の相対試験ではあるものの、基本的には「要求をみたした図面を作成する」ことが出来れば合格する試験です。

一級建築士製図試験では、

図面そのものの美しさではなく、受験生の持っている知識が表現されている図面となっていれば合格できます。

例えば、

「大空間の居室の前には、人だまりを処理できる空間が必要」という建築計画的な知識

「構造種別に適切なスパン、大スパン構築に必要な梁成とそれを支持する柱サイズ」という構造的な知識

「大空間や小空間それぞれに対して適切な空調方式は何で、冷媒系をどこに設けるか」という設備的な知識

それぞれの知識を理解し、それが理解出来ていることを伝える図面を描く。

これが、一級建築士製図試験の根幹であり、綺麗な図面を書くことが要求されてはいません。

極論は、全てフリーハンドで合格する人もいると言われています。

このように、製図試験に合格するレベルに達すれば良いことを考えると、他人はあまり関係なく、自分の力量を高めることが一番重要です。

そのためには、自分がどういったタイプの人間であるかをしっかり認識し、それに合わせた戦略を練る必要があります。

その点は次に詳しく記載しています。

合格術2: 一級建築士製図合格に必要な能力を知ろう(自分を知ろう)

一級建築士の製図で合格にするには、計画的な勉強が必要です。

まず、一級建築士製図試験に必要な能力を分解してみたいと思います。

「建築知識」

上記に描いた、建築士としての意匠・構造・設備に関する最低限の知識量。

主に要点記述の際に問われますが、必要室面積算出方法等は一般的な空間構成を考えるうえで必要なので製図にも直結する力です。

「パズル力」

与えられた敷地条件から必要な諸室を自然な形で配置し、図面に表現する能力です。

一般的には「エスキス力」と言われるものがありますが、「エスキス力」から「建築知識」を引いた力を「パズル力」と呼びたいと思います。

「製図力」

これは主に製図を描くスピードです。その他にも「濃淡」「室名記載などの表現力」も含む、綺麗な図面とする能力です。

「判断力」

問題ごとに特性を捉え、自分の能力も踏まえて、冷静に対処して、試験時間内に課題を終える方針を立てる能力です。

さて、このそれぞれの力に優先順位をつけるとすると

「製図力」<<<「パズル力」<「建築知識」<「判断力」

といった関係になると思います。

製図試験なので、受験生は「製図力」が重要視しがちですが、

採点側の視点はあくまで「建築士としての知識が十分であるか」ですので、

その点を踏まえてバランスよく自分の力を伸ばしていく必要があります。

得手不得手は人それぞれなのですが、受験生はいくつかパターンに分けて分類することが出来ます。

テキパキちゃん

このタイプは、製図力とパズル力、判断力が高く、概ね時間内に綺麗な図面を完成させることが出来ます。

資格学校などでも授業中に課題を完成させ、軽やかにお家に帰ってきます。(でも、宿題はやってこない)

しかし、図面をよく見ると法規的な制約や構造・設備の知識が表現されていない(わかっていない)ということが多いです。

このタイプは、普段から余計なことはしたくないと考えている合理的なタイプ。関西の女の子に多い。(テキトー)

考えすぎ君

このタイプは、「建築知識」は十分にありますが、「判断力」が低く製図を時間内に完成できないか、出来上がっていてもいびつな計画になってしまいます。

真面目なので、宿題も頑張ってやってくるのですが、課題が徐々にたまり最後にオーバーフローします。

図面を見ると細かな部分は正しく表現されており、知識があることはわかるのですが、総合的に完成度が低いので合格ラインに到達しません。

このタイプは、真面目でルールを守るタイプ。構造設計をやっている人と眼鏡をかけている女の子に多い(テキトー)

★パズルちゃん

このタイプは、「パズル力」が高く、「建築知識」も兼ね備えており、完成図面の評価が高いですが、、「製図力」と「判断力」が低いため、時間内に描き終えることが出来ません。

宿題も「エスキース」までやってきますが、図面に描いてくることはしません。

「エスキース」は大好きなので、小さな図面でずっとパズルを楽しんでいます。

このタイプは、企画や構想を練るのが好きなタイプ。美しいよりも可愛いが好きな女の子に多い(テキトー)

うっかりさん

このタイプは、総合力が高く、一見、時間内に合格ラインに到達した図面を作成することができます。

授業中の課題も宿題もそつなくこなしてきます。

しかし、しっかり図面を見ると、「建蔽率を超えている」「階段位置がずれてる」等、致命的なミスがあったりします。

指摘された際には、凹んで反省しますが、すぐに忘れてしまって、致命的なミスを繰り返します。

このタイプは、普段はしっかり者で、頼りになる人に多い。話しかけづらい雰囲気の女の子に多い(テキトー)

★素人君

初受験の人たち。試験までの流れもよくわからず、到底描き終われない課題に絶望し、何をしたら良いかわからない子羊たち。

図面を描き終えることを直近の課題として設定し、猪突猛進で図面を引き続け、腰を痛めています。

宿題は、やる気はあれども、終われないので先生に泣きつきます。

このタイプは、初期設定なので、皆が通る道。学習していくと少しずつどれかのタイプへと進んでいきます。

合格する為には、自分はどのタイプに近いのかを理解することが大切です。

合格術3: 一級建築士製図に必要な能力を伸ばそう(タイプ別に)

さて、自分が上記のどのタイプに属しているか、冷静に考えられたでしょうか。

各タイプはどういった勉強法が有効か見ていきましょう。

テキパキちゃん

元来このタイプは、物事を素早く処理でき、判断力もあるので製図試験に向いたタイプです。

しかし、建築知識が曖昧なため、細かなミスや、一発アウトの失格を食らってしまいます。

学科を合格できた時点で、一定の建築知識があるはずですが、マーク試験対策でうる覚えの知識を見直しましょう。

具体的には要点記述で記述する内容の知識を学びなおし、実際に要点にまとめる練習をしましょう。

ある程度自分の中で要点記述のフォーマットを作成し、それに合わせた図面の記述方法を学びましょう。

そうすることで、バリバリ図面を引いて余裕で合格してしまう「バトルマスター」になれるでしょう。

★考えすぎ君

このタイプが描く図面は、空間構成がいびつになりがちです。

例えば、「エントランスホールがやたら狭い」「壁は柱スパンにしか設けないから変な空間がある」等です。

このタイプは、まず、「人が溜まる場所がどこで、どのくらい空間がいるか」を意識しながら、

模範解答や自分以外の人の図面をよく見て、「このくらいの厳密さでいいのか」と感じ取れるようになりましょう。

ただ、このタイプは自分一人で、改善していくのが難しいので、第三者の意見を聞ける環境を作るのが良いでしょう。

人の意見を聞き入れ、自分を見直せれば「賢者」となって合格を手にすることが出来るでしょう。

★パズルちゃん

このタイプは、まず自分の「製図力」を確かめるために、エスキースしたものを図面化するのにどのくらいの時間がかかるか計測するようにしましょう。(パズルばっかりじゃ受からないよ)

その時に、自分的に8割出来たと思った時間と、完成したと思う時間の2回を測るようにしましょう

まずは、目標時間内に8割の完成度の図面を作成する練習をしましょう。

製図を早くするコツは「消さない」「道具を持ち換える回数を減らす」「定規を使わない」なので、そういった点を意識しながら練習してみましょう。

高いエスキス力(パズル力+建築知識)と着実な製図力でバランスの良い「パラディン」となって試験を攻略できるでしょう。

★うっかりさん

このタイプは、「やってはいけないことリスト」を作ってみましょう

意外と項目がたくさんあって愕然とするかも知れませんが、試験当日に頭をよぎればOKなので、暗記しなくても大丈夫です。

このタイプは、問題文の読み間違いが最も多いので、問題文の把握にミスが無いように自分なりの工夫をしましょう

また、自分のミスはヒヤリハットも含めて振返り、まとめておくのが良いでしょう。

ミスさえなければ完全無欠なあなたはまさに「勇者」として、合格を勝ち取ることでしょう。

★素人君

まずは、建築可能な面積と室面積の求め方をしっかりと頭に叩き込みましょう

これをしないと正しくパズルを始めることが出来ないので、一向にレベルアップしません。

描き終えることが出来ないことが不安で、とにかく闇雲に製図ばかり練習して「製図力」を高めても「テキパキちゃん」どまりになる可能性があるので、「パズル力」上がられるようにエスキースも時間を決めて取り組みましょう。

その際、最初に自分で算出した「室面積合計/延べ面積」と模範解答の「室面積合計/延べ面積」を比較するようにしましょう

パズルを要領よく解くコツは、「正確なサイズ(室面積)のピース」の把握です

その精度上げることにより、パズルを解く前から大まかな空間構成すら頭に浮かぶようになってきます。

「パズル力」があがると製図しやすい室配置ができるようになるので、自然と「製図力」も上がります。

また、自分の中での判断軸を持ってるようになるので「判断力」も向上していきます。

合格術4: 一級建築士製図の教材を選ぶ(他人に頼ろう・投資しよう)

資格試験の場合、適切な教材を獲得できるかが合否に大きな影響を与えます。

一級建築士製図の場合、どのような教材が最も合格に近いと言えるでしょうか。

ペンギンは、一級建築士製図試験の場合、最初に資格学校に通うことをお勧めします

理由は、情報量が圧倒的に多いからです

先にも述べた通り、近年の出題は受験生に的を絞らせない課題設定となっており、独学での対応は難しくなっています。

また、一級建築士製図試験の最大の特徴は、課題が発表されてから試験まで僅か3か月程度の期間しかないことです。

過去の出題課題から一般的な対策をまとめた書籍は出版されていますが、その年の課題に合わせた対策教本を作成することは期間的に不可能です。

そのため、独学者が「この教本さえやりこめばバッチリ」と言える教本は存在しません

一方、資格学校は、豊富な情報得たうえで人員をかけて様々なパターンの問題を作成、練習、添削してくれます。

合格術2のタイプ分けも、学校で先生に指導されたり、周囲を見ながら見定められるようになります。

学校に通う場合に最もネックになるのが学費でしょう。

資格学校には、大手に総合資格学院と日建学院の2校がありますが、それぞれ製図試験対策講座の値段が

総合資格学院:570,000円(税込み627,000円)日建学院:500,000円(税込み550,000)です。

どちらも低価格とは言い難い値段です。(足元みてるなぁーとは思います。)

ただ、一級建築士資格は建設業界でのパスポートです。

この業界で生きていくうえで、一級建築士はある程度の年次には取って置かないと、ずっと半人前扱いをされ、昇進も出来ず、転職にも非常に不利となり、その後の収入UPはあまり見込めません。

そして、ペンギンは、

自分という唯一無二の資本を最大化するために必要な費用は「投資」と考えるべきと思います。

美味しいご飯やお酒、趣味の様々なツール、旅行等、お金は様々なものに「消費」したくなるかと思いますが、一級建築士を受験される若い世代の方には、ぜひとも自分を高める為の「投資」を積極的に行って欲しいと思っています。

それが、やがて実を結び、あなたにより大きな「幸福」をもたらしてくれるはずです。

また、製図試験は1回練習するのに6時間以上かかるため、正直、どの資格試験よりも身体的にもキツイです。

このキツさのために、「どうしても勉強できない。」「目の前の誘惑に勝てない。」となっていきます。

しかし、人間は「損をしたくない」という欲求が強いため、一度お金を払った後には、何とか元を取ろうと授業に通うようになり、それが習慣化されると少なくとも授業中は集中して学習できます。

ペンギンも製図を引く練習自体は余り自宅では行わず、授業で頑張って練習していました。

それぐらいでも、自分の特性を理解して効率的に学習すれば十分に合格ラインに到達できます。

費用や時間的な制約から学校へ通うことが難しい場合は、通信教育というのもありです。

スタディングの製図対策コースは、一括払いで55,000円とかなりリーズナブルです

フリーハンドによる速記講習や、アプリ管理による学習進捗管理もあり、充実した内容であるように思います。

また、プロが課題を設定し、それに取り組むことが出来る点で非常に有用な選択肢の一つです。

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合格術5: 一級建築士製図の試験直前対策(スポーツをやる感覚で挑め)

ここでは、試験本番での精神コントロールによる合格術を解説します。

しっかり勉強して、本番を迎えたあなたは、自覚はなくともいつもと違う精神状態にあるはずです。

「当日の試験問題を見て、頭が真っ白になった。」なんてことも十分にあり得ます。

頭の中で繰り返したシミュレーション通りに物事が進まず、焦ってしまうなんてこともあるかも知れません。

ペンギンが資格試験の時に自分を冷静に保つために心で呟いているのは、

「緊張するのは自分が頑張ったから」

「自分が難しい問題は、きっとみんなも難しい」

「プラン変更は当たり前」

の3つです。

特に、「プラン変更は当たり前」は予め想定していた通りに物が進むことは稀であり、相手は常に自分の想像を超える可能性を考慮して物事にあたることを意味しています。

ペンギンは、試験当日のエスキース途中で左右反転させないと計画が破綻することに気が付きましたが、エスキースをし直す時間はないので、大まかな方針だけ決めて、製図を始め、頭の中でエスキースしながら書き終えました。

全く考えていたタイムスケジュール通りではなかったですし、普段の図面クオリティよりも低かったと思いますが、無事に合格しました。

製図試験は自分との闘いです。

スポーツと同じで、問題が難しくとも、勝ちにいく気持ちが大事だと思っています。

どんなスポーツもスキルが同じくらいなら勝負は常に気持ちが強い方が勝ちます。

おまけ

ぺんぎんは、基本的には余り道具に拘らないタイプなのですが、当時の先輩に

「この道具が良いから使ってみて」

とアドバイスされたものがあります。

今やSNSなどで結構見かけるようになりましたが当時は余り使っている人はいませんでした。

製図試験のスピードアップのコツの1つに「道具の持ち替える回数を減らす」があります

この道具は、これ一つで「三角定規」と「テンプレート」を兼ねることが出来るので、明らかにスピードアップできます。

中々、時間内に描き終えることが出来ない人は、騙されたと思って使ってみてください。

最後に

製図試験は、厳しい学科試験を通過したにもかかわらず、楽しい夏を棒に振って望まなくてはいけない試験です。

そんな試験を何度も受けたくないし、増して、カド番落ちで学科からなんてまっぴらですよね。

短期決戦ですので、これでもかってくらい頑張ってください。

冷静さを失わずに、試験に向き合って頑張ってください。

ぺんぎんは全ての一級建築士試験受験者を応援しています。

資格とって、一緒に良いもの造っていきましょう。

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