現在、四半世紀ぶりにフランク・ロイド・ライト(1867-1959)の回顧展が開催中です。
理数系で建築学科に入学したペンギンは、建築史には興味がなく、学生当時の授業を聞いても全く響きませんでした。
しかし、最近になって、人間や社会の動きは、ある程度パターンがあり、歴史を学ぶことは、未来を見通すうえで有用だと学びました。
なので、今一度、建築史も学びなおそうと思い、勉強中です。
今回は、ペンギンのように、建築史を苦手としていた建築関係者はもちろん、フランク・ロイド・ライトに馴染みがない方へも、その偉大さをわかりやすく解説します。
今回は、回顧展などを通して学んだことなどから、
フランク・ロイド・ライトの偉大さについて考察しました。
ライトは結局何がすごいのか?
ライトは、アメリカの建築史において最も影響力のある人物の一人と言われています。
理由は、今でも名建築といわれる作品を残したことです。
彼は「有機的建築」を提唱し、建築と自然との調和を重視しました。
ここが、学生当時のペンギンの「?」ポイントでした。
「有機的」「調和」など、抽象的な建築の中2病ワードが非常に嫌いでした。
今回勉強のため、「有機的建築」について、色々と調べてみましたが、理数系のペンギンが「なるほど!」となる回答は得られませんでした。。
「自然との調和」をキーワードとして、「落水荘」が有機的建築の代表作としている人もいれば、
「開放的に連続する流動的な空間」グッゲンハイム美術館が有機的建築の代表作だとい主張を場合もありました。。
結局、ライトが提唱した「有機的な建築」を理解するには至りませんでしたが、ライトが残した作品については、今ある他の建築と比較しても、美しくて「名建築」だというのは、ぺんぎんにも理解できました。
きっと「有機的な建築」の定義はライトの中にあり、本当の意味でそれを理解できる人は少ないのではないかと思います。
ペンギン的なアプローチで「有機的」を辞書で引くと、
「 有機体のように、多くの部分から成り立ちながらも、各部分の間に密接な関連や統一があり、全体としてうまくまとまっているさま」
と出てきます。少しわかりやすくなりました。
調べたところによると、ライトは、
「全体が部分に対してあるごとく、部分が全体に対してある」
とも言っています。
具体的に下記のような取り組みを行っています。
下の写真が、彼が設計した日本の帝国ホテルです。
そして、そのホテルの壁に使われたタイルが下の写真です。
左側のタイルが建物全体の形に模しているのがわかります。
一見、よくやられていそうで、かつ、ダサくなりそうなのに、結果的に調和がとれて、かっこいい。
それが、自然とできるところが、ライトが偉大な建築の要因なのではないかと思います。
何故今ライトに注目?
フランク・ロイド・ライトに注目が集まっている理由は二つあります。
フランク・ロイド・ライトの回顧展
現在、四半世紀ぶりにフランク・ロイド・ライトの回顧展が開催中です。
昨年、豊田市美術館からスタートし、現在パナソニック汐留美術館にて3/10まで開催。
その後2024月3月20日(水)~5月12日(日)まで青森県立美術館で開催予定です。
ペンギンも行ってきました。
下記の見どころがたくさんあります。だいたい1時間ちょっとくらいで見れます。
・シカゴ博覧会、シカゴでの災害後の復興状況など、ライトに影響を与えた社会背景の理解
・ライトが収集していた浮世絵コレクション
・浮世絵に影響を受けていることがわかる建物パース(これがかっこいい)
・帝国ホテルの石膏模型を3Dプリンターで再現したもの(これもかっこいい)
・ジョンソンワックスビルなどの晩年の名作への取り組み
・ブロードエーカーシティ構想の3DCGアニメーション
↑これがアニメーション化されています。
写真スポットは1か所しかないのが、ちょっと残念でした。
看板の写真を撮ろうとしているお姉さんが、警備員に「オフィスフロアなのでNGです。」と止められてました。
帝国ホテル建て替え計画
そして、この回顧展は、そもそも帝国ホテルのライト館開業100年を記念して行われていますが、その帝国ホテルの建て替え計画が進んでいることが、フランク・ロイド・ライトにまた注目が集まっている理由でしょう。
こちらが建築家の田根剛さんが手がける新しい帝国ホテルのパースです。
ペンギンは、正直初めて見たときは、「なんだこれ?」って感じだったのですが、
フランク・ロイド・ライトの帝国ホテルを見て、何となく、踏襲しているような気配を感じました。
個人的には、以前のライト館のほうが好きですが、こちらも完成したらとても素敵な建物になる予感ですね。
竣工したらぜひ泊まってみたいです!
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