コンクリートを使用する場合に、品質管理において単位水量が話題になることが多いです。
JASS5では、普通コンクリートの単位水量上限は185kg/m3と定められている。
ただ、お客様によっては、より厳しい基準を求める場合もあるので、
そもそも単位水量規定は何を基に決められているのか学ぶことで、
要否について適切に判断できるようになりましょう。
この記事を読めば、
コンクリートの単位水量の数値根拠を知ることができます!
JASS5の単位水量の上限値の根拠は?
そもそもJASS5において、
普通コンクリートの単位水量の上限値が185kg/m3と定められたのは、1986年の改定の時です。
その上限値は、1975年版のJASS5の解説に試案で示された下表が背景にあるようです。
この頃はまだ圧縮強度以外の性能は設計者が特記するように記載されていましたが、
耐久性や容量の安定性の重要性にも触れていました。
その中で、乾燥収縮を抑制するためには、単位水量は出来るだけ小さくすることが良いとされていて、
単位水量が小さいことがコンクリートの品質を向上させるとされていました。
このような流れを受けて、
1986年版JASS5では、単位水量とブリーディング量の関係や単位水量と乾燥収縮率の関係を調査した結果が示されています。
この中で単位水量の上限値の目標は、
1975版JASS5の「常用」のブリーディング量や乾燥収縮率の目標値を満足する形で設定されています。
そのことを考えると、例えば乾燥収縮が左程気にならない部位(例えば、仕上げがされる室内側)を、
夏場などワーカビリティ確保が厳しくなる条件で打設する場合は、
無理に単位水量を下げるのではなく、
上限値を満足するように配合計画をする方が総合的には合理的な施工が可能な場合も考えられます。
お客様にも、このような論理的な説明で納得してもらいながら、合理的なモノづくりをしたいですね。
乾燥収縮を気にして決まっている数値なのに、
必要としない部分まで厳しくしないように!
打設のしやすさも、品質ではとっても大事!
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