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【実務に役立つ】配筋検査の超基本!今さら聞けない勘所5選

目次

はじめに

建築構造の品質と安全性を確保するためには、配筋検査が不可欠です。

しかし、配筋検査の基本的なポイントを押さえていないと、建物の強度や耐久性に深刻な影響を与える可能性があります。

ですが、構造図を読み込んで、その内容を検査するには多くの知識が必要で、若手技術者にはハードルが高いです。

初めて、先輩に「配筋検査行くなら標準配筋図完璧に覚えて行けよ。」と言われたときはドキドキしたものです。

この記事では、配筋検査に臨むうえで必要な最低限の知識を「今更聞けない配筋検査の勘所5選」として紹介し、現場で役立つ実践的な知識を提供します。

この記事の目的は、配筋検査で基本となる5つのポイントを紹介することで、建築現場での検査業務をより効率的かつ確実に行う方法を学ぶことです

この記事を読むことで、建築士や施工管理者は、配筋検査の要点を理解し、現場での検査精度を高めることができます。
これにより、施工ミスを防ぎ、建物の安全性を確保することができるようになります。

配筋検査の勘所5選

配筋検査の知識は、すべての建築関係者にとって基本でありながらも重要です。

なぜなら、配筋が適切に行われていないと、建物の耐久性や安全性に直接的な悪影響を及ぼすからです。

建築現場では、鉄筋の配置が設計通りに行われているかどうかを確認するために、配筋検査が行われます。

これには、鉄筋の種類、配置間隔、継手、定着長さなど、多くの要素が含まれます。

適切な配筋が行われていることを確認することで、建物の構造的な健全性を保証します。

鉄筋の種類と本数の確認

まず、使用されている鉄筋の種類と本数が設計図通りであるかを確認します。

鉄筋の直径や本数が設計と異なる場合、建物の強度が計算通りにならず、重大な構造問題を引き起こす可能性があります。

気を付けたいのが、稀にXY方向を誤っているケースがあるので注意が必要です。

初期段階でゼネコンさんがケアレスミスをしないようなチェックリスト等を活用しているかも確認しましょう

鉄筋の継手と定着長さの確認

鉄筋の継手や定着の長さも重要なチェックポイントです。

継手長さが短すぎると、鉄筋同士の応力伝達が十分に出来ない場合があるので注意が必要です。

また、継手は部材ごとに、継手を作って良い場所と駄目な場所があります。

基本的には引張力が作用する場所には設けられないので、標準図を確認するようにしましょう。

また、定着長さが不足していると、鉄筋に伝わってきた応力を十分に伝えるだけのコンクリートが足りない状況になるためその部分にひび割れが発生します。

最悪の場合は、部材が構造計算で期待した耐力を発揮する前に壊れてしまう可能性があります。

コンクリート被り厚さの確認

コンクリートの被り厚さは、鉄筋の腐食防止と耐火性能を確保するために必要です。

また、かぶり厚さは建築基準法でも最低値が規定されていますので、その最小値は絶対に守る必要があります

それとは別に、設計図で規定されているものがあるので、図面の数値を必ず確認しましょう。

被り厚さが不足していると、鉄筋が外部環境に晒されやすくため、腐食が進行しやすくなります。

具体的には、外気中の二酸化炭素などにより、鉄筋周囲が中性化し、鉄筋が酸化により錆びることで断面が小さくなってしまいます。

逆に、過剰な被り厚さは無駄なコンクリート使用を意味し、経済性を損ないますし、剥落の恐れが出てきます。

およそ70㎜~100mm以上が無筋のコンクリートになる場合は、一体性を確保できるような配筋をしておくのが良いでしょう。

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鉄筋の間隔の確認

鉄筋同士の間隔が設計図通りに保たれているかを確認します。

間隔が狭すぎるとコンクリートが十分に流れ込まない可能性があり、鉄筋の周りにコンクリートがない状態になってしまいます。

鉄筋の間隔を構造図で特記することは殆どないので、標準的に決められている 下記の表を覚えておけば大丈夫です

実際の現場では、粗骨材のサイズを気にすることは殆どなく、「呼び名の1.5倍以上」or「25㎜以上」で判断します。

25÷1.5=16.66..

なので、D16までは25mm以上であることを確認。

それよりも太い鉄筋の場合は、鉄筋の1.5倍以上の空きがあることを確認します

スラブや壁の場合はD 16よりも太い鉄筋を使うことは稀なので、スラブや壁の配筋検査時には 空きが 25mm 以上あることを確認するようにしましょう。

補強筋の配置と形状の確認

特に応力が集中する部分には補強筋が必要です。

補強筋が設計通りに配置されているか、その形状が正確であるかを確認します。

スラブ や壁に設備用のスリーブ開口を開けた場合には、鉄筋を切断する必要が生じる場合があります。

その場合には、切断した鉄筋と同じ量の鉄筋を開口付近に補給筋として設置します。

さらに、斜め方向のひび割れを防ぐために、ひび割れと直行する方向に補強筋を入れます。

そのため 開口部付近では非常に鉄筋が混み合います。

鉄筋が混み合ってくると、先ほどの鉄筋の空き25mm が確保されていない場合が多いので、配筋検査時には十分注意して確認しましょう。

まとめ

この記事では、「今更聞けない配筋検査の勘所5選」を解説しました。

これらの5つのポイントを確実に押さえることで、配筋検査の精度が向上し、建物の安全性と品質が確保されます。

建築士や施工管理者は、日々の業務においてこれらのポイントを常に意識し、検査を徹底することが求められます。

再度強調しますが、配筋検査を正確に行うことで、建物の長期的な安全性を確保し、施工ミスによるコストの増加や工期の遅延を防ぐことができます。

正確な検査は、建物の品質を保ち、クライアントの信頼を獲得するためにも欠かせません。

まずは、現場での次の配筋検査時に、これらの5つのポイントをチェックリストに加えてみてください。

一つ一つ確認することで、より確実な配筋検査が行えるようになります。

小さな改善が、大きな品質向上に繋がることを実感できるでしょう。

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